怖い呉服屋さん


今日は車でよく利用しているショッピングセンターへ出掛けました。
いつものように2階の100円ショップへ立ち寄り、
書籍売り場へ向かおうと歩き出した時、
いきなり横から声を掛けられました。その時、私は思わず
声のした方を見てしまいました。今思えばそれが間違いだったのです。
そこはテナントで入っている呉服屋さんで、声を掛けてきたのは
とても若い女性の店員さんでした。「こんにちは〜。浴衣、どうですか?」
私はいつものように曖昧に笑って立ち去ろうとしましたが、店員さんは
すかさず2体のマネキンが着ている浴衣を指差して「この2枚では
どっちの浴衣がお好みです?」と満面の笑顔で聞いてきました。
私はつい足を止めて「こっちです」と気に入った浴衣を指差しました。
すると店員さんは「今皆さんにアンケートに答えてもらってるんですよ」
と、お店の奥へ私を手招きしてきました。(ちょっとヤバいんじゃ・・)
と思いつつ、無視して行ってしまえる雰囲気ではなかったので、ついつい
誘われるままにお店の中へ入ってしまいました。そこで6枚の反物を
見せられ、その中からどれがいいか答えたりしているうちに、世間話なんかを
上手くとりまぜて店員さんは話し続け、私はお店から出るきっかけを
完全に失ってしまっていました。そしていつの間にやら先程私が気に入ったと
言った反物を肩に当てがわれ、男性の店員さんまで奥から出てきて、
「ちょっと御着物体験」と、反物を体に巻きつけられ、帯まで締められて
私は逃げる事が出来なくなってしまいました。そして「御着物体験」のはずが
「この着物が月々幾らで手に入るんですよ」なんていう「商談」に
なってしまっていました。こうなるまでに私はとっくに「アンケート」は
口実で、これは「キャッチセールス」たるものだったのだと気付いては
いましたが、もうどうにもなりませんでした。よくテレビなんかで
悪徳商法」に引っかかってしまって大金を払わされてしまった人の事を
やってたりして、そういうのを見るたびに「なんで引っかかっちゃうのかな?」
なんて思っていたのですが、自分が同じ立場になって、やっとわかりました。
「どうにも逃げられない」「断れない」雰囲気にいつの間にか追い込まれて
しまうのです。しかし、だからと言って「そうですね、買います」なんて
口が裂けても言う事は出来ません。死に物狂いで断り、2人の態度の豹変を
覚悟したのですが、意外とあっさりと諦め、反物と帯から開放してくれました。
しかし、私はこの事でクタクタに疲れ、ろくに買い物も出来ないままで
帰宅したのでした・・。そして私がこの事で学んだのは「突然声を掛けられても
絶対にそちらを見てはいけない。万が一見てしまっても無視しなければいけない」
という苦い教訓でした・・。本当、キャッチセールスは止めて下さい〜(泣)。