恐れていた事態が・・


ごんぞう氏が自転車で落車して腕を擦りむいてから
2週間が経ち、やっとその傷が治った矢先の今日、
私が一番恐れていた事が起こってしまいました。
ごんぞう氏が交通事故に遭ってしまったのです。


今日もいつものように朝食後、ごんぞう氏は
自転車でサイクリングへと出かけて行き、
私は彼を見送ってから家事を色々とやっておりました。
そして携帯が鳴ったのが彼が出かけてから一時間後の
事でした。私は何気なく電話に出たのですが、
「今四日市にいるんだけど・・車とぶつかっちゃって・・」
私は息を呑みました。「それって・・事故ったって事?」
「そう。で、自転車がさあ、ハンドルが曲がっちゃって
チェーンも外れちゃったから乗って帰れないから・・」
私はそこまで聞いて、ハッとして一番肝心な事を聞きました。
「で、怪我は?」すると「いや、身体は大丈夫。怪我はしてない」
と、少しホッと出来る答えが返ってきました。その後は必死に
心を落ち着かせ、今いる場所を聞き、地図で調べてから
車に乗り込み、大慌てで事故現場へと向かいました。


いつもなら道に迷う私ですが、必死だったせいなのか
迷う事なくごんぞう氏が指示したコンビニエンスストア
たどり着く事が出来ました。すぐにごんぞう氏が現れたので
安堵して辺りを見回すと、建物の壁には彼の自転車が
立てかけてあり、傍にエンジンを掛けっぱなしにした車が一台。
そしてその脇でしゃがみこんで携帯で電話をしている女の人が
目に入りました。どうもその人が今回の事故の当事者らしいです。
ごんぞう氏に事故の状況を聞きましたが、こちらには非はないと
思われ、警察もそう言っていたそうで、壊れてしまった自転車は
相手の人の保険で直してもらえるのではないかとの事でした。


保険会社と連絡を取っていたらしい相手の人は電話し終わると
ごんぞう氏と私にペコペコと頭を下げ、ちょっと気の毒に思えるほど
謝りつづけておりました。そして今後の事を話し、別れ際に
深々と頭を下げるその人に私は「でも身体がどうもなくてよかったです」
と言いました。するとその人はやっと少し笑顔を見せ「はい、本当に
それだけが・・」と言い、また頭を下げ、車に乗り込んだ私たちが
視界から見えなくなるまで見送っていました。


午後から車に積んだ自転車を購入したお店へ持って行き
修理の見積もりを取ってもらう事になりました。
お店の人の話だと、見た目が大した事無く見えても、
ロードバイクは普通の自転車と比べて軽い分、繊細に作られているから
見えない部分がダメージを負っている場合が多いそうです。
なので今回もしかしたら全損扱いになるかも・・との事でした。


しかし今回、不幸中の幸いだったのは何と言ってもごんぞう氏自身に
怪我が無かった事です。こちらが気をつけていても今回のように
車の方がぶつかってきてしまう場合があるので、どうにも運が悪かったとしか
言いようがありません。かと言って私自身も車を運転する立場上
相手の人を酷く言う気にはどうしてもなれなくて・・いつ何時、自分も
同じ立場になるか分からないからです。しかしこんな怖い思いを私はしたのに
当事者のごんぞう氏は何とも思ってないらしく、自転車が直ったらまた
サイクリングに出かける気満々のようです。ああ・・私の苦悩は続く・・。