人生初のレースは・・

一時間全員エンデューロの参加者



私にとっては人生初となるロードレース、
鈴鹿サーキットで行われた1時間全員エンデューロは、
後悔ばかりのレースとなってしまいました。


ロードバイクに乗り始めてまだ半年も経たないのにレースに出ようなんて
無謀な事を考えたのが間違いの元でしたが、これまで2度、F1を観て、
憧れだったコースを一度走ってみたかった・・という夢があり、
このレースなら初心者の私でも大丈夫だと勝手に思い込んでしまって
半ば勢いでエントリーしてしまった次第であります。


そして一週間前からテレビとパソコンで天気予報ばかりを見て
「贅沢は言いません。晴れは望まなくても、雨だけはご勘弁を」と
祈っていたにも関わらず、当日の天候は見事に雨。
ただでさえ初めて走るサーキット、不安で一杯なのに、雨なんて・・
それでも奇跡が起きて、何とか止んでいてくれないかなとの
一抹の期待を抱き、早朝、サーキットに向けて出発しました。


サーキットに着くと、丁度試走の時間で、幸いにも雨は小雨でした。
メインの6時間エンデューロまで時間があるためか、人はまだ少なく、
ピットに持参したピクニックシートを敷き、ごんぞう氏に受付をしてもらって
私は試走をする事にしました。雨は殆ど降っていない状態でしたが、
念のため彼に借りた釣り用の雨合羽を着て、とりあえず一周回って
みる事にしました。今まで数えきれない程訪れているサーキットですが、
ピットロードから出て本コースを走るのは初めてです。
本コースに入ってしばらくすると、シケインの登り坂が待っていました。
これは・・想像していた以上にキツいです。そんなに距離はないものの、
上り切った時にはかなり心拍数が上がって、息が苦しくなりました。
それからはまた想像以上のアップダウンを繰り返すコースを走り、
何とかピットに戻った時には釣り用の合羽は暑くて着ていられませんでした。
しかし、雨は少し強くなってきて合羽無しでは寒そうです。
どうしようかと思っていましたが、サイクルバザールで見つけた
パールイズミ製の透明のレインジャケットを購入し、これを着て走る事にしました。


明日も天気予報では雨との事なので、サイクルバザールでごんぞう氏の
バイク用に新しいタイヤを購入し、他にもチューブやらお値打ちな冬用の
手袋などを買ったりしているうちにスタート時間が近づき、
いよいよスタート地点へ向かいました。そこで辺りを見回して思った事は
「意外と人が少ない」という事でした。
アナウンスによると、ソロのエントリーは70人位いたそうなのですが
実際今日来た人は50人程度で、20人位がDNSだそうで・・
「私もやめとけばよかったかな」と、チラッと思いましたがもう後の祭り。
そして雨の中スタート時間がやって来ました。スタートはオートバイ先導による
ローリングスタートです。無論私は着いて行ける筈もなく、最後尾から
ゆっくりスタートしようと思っていましたが、余りに皆さんが速いので
焦って走り出そうとしてやってしまいました。漕ぎ出し失敗。
2回も漕ぎ出せず左足を着き、やっと3回目にして漕ぎ出す事が出来ました。
しかしスタート地点でのこの失敗は恥ずかしくて恥ずかしくて、もうこの時点で
テンションはダダ下がりです。


それでもシケインの激坂を越え、平坦なコースでは前を走っていた
小さなお子さん連れの人を少し抜いたりして1周目は何とか終えました。
しかし2周目に入ると、ホームストレートの長い上り坂がキツく、見物している
人達の「だいぶバテとるな」の声、ごんぞう氏の「がんばれー」の声援にも
応える余裕もなく、1周目に抜かした夫婦らしき2人組に抜き返され、
もうヘロヘロで2周目を終えました。その時点でヘタレな私は当初の目標
「4周」を「3周」へと早々と切り替えて「これで最後だ!」と、残る力を
振り絞ってシケインの坂を上りました。もうその頃には雨脚も強くなり、
雨よけにヘルメットの下に被っていたキャップのツバから水が滴り落ちてきます。
第一コーナーを回ったとき、非情なアナウンスが私の耳に入りました。
「あと2分程で競技終了です」・・・それからはもう必死に漕ぎまくり、
残り1分ちょっとの時点で計測地点を越えました。しかし、私はこの競技の
ルールが分かっていなくて、4周目を走る事が出来るとは思わなかったので
係員さんの「もう一周行けますよ」の声に「?」と思いつつ左側のゴールへ
向かってしまっていました。これにはごんぞう氏も驚いて
「あれ? もう一周行かないの?」「なんで? もう終わりじゃないの?」
時間内に計測地点を越えれば4周目を走る事が出来ると知ったのは、
競技が終わって大分経ってからでした・・。


結局、私は3周しか出来ず、その結果リザルトも惨憺たるものとなりました。
もう2度とレースと名のつくものには出るつもりはないので、これが最初で
最後のサーキット走行となりましたが、出来ればいい天気の中、走りたかったです・・・